IBMの新製品「World Wire」、ブロックチェーン担当者が最新情報を漏らした!?

世界の銀行大手のほとんどとパートナー提携しているテクノロジージャイアントによって提供される国際決済サービスに関する「大きな発表」がもうすぐあるようだ。

かねてより、ブロックチェーン技術関連の取り組みを意欲的に行い、様々な分野におけるブロックチェーン技術のユースケースを模索している、IBM。

昨年には、ステラ(XLM)を採用した決済システム「World Wire (ワールド・ワイアー)」を発表したことで大きな話題となった。

そんな中、未だ明かされていなかった同製品に関する最新情報をIBMブロックチェーン担当者のバイスプレジデントが(誤って)共有した。

30-40銀行は堅い?目指すは国際送金サービスNo.1か

「3-5年以内に何百ものエンドポイントや通信事業者へのアクセスを提供し、世界規模のサービスを行えることを望んでいる。これは、世界のどこからでも他の場所にお金を送る能力だ。」

このように今週開催されたカンファレンスで国際送金に関する新製品「ワールド・ワイアー」について述べたのは、IBMのブロックチェーンソリューション担当バイスプレジデントである、ジェシー・ルンド氏。

出典:IBM is using XLM! World Wire interview with Jesse Lund

同氏によると、数週間以内に実施されるシンガポールの主要イベントで、ステラ創設者マッカレブ氏と共に新製品とその詳細について「特別な発表」をするという。

しかし、その特別な発表の一部を同氏は漏らした可能性がある、とCryptoBriefingが指摘した。

それというのも、最初に公開されたインタビューでは以下のように述べたという。

「とりあえず50か国以上の国々、30-40の通貨、そして30-40の銀行に対応するのに十分なマーケットメーカーをサポートする予定だ。そのため、世界の大部分をカバーすることになる。目標としては、ネットワークを拡大し続け、世界中のどこからでも非常に低コストで、瞬時に、一貫した方法で送金できることを3-5年以内に世界規模で提供することだ。」

(この発言は、4:12前後に突然のカットされ、オリジナルのインタビューから削除されたという。)

尚、今回をインタビューを行ったFinder社によると、IBMが前述の部分を削除するように依頼したそうだ。

ブリッジ通貨はXLMだけでない!?BTCやXRPでも可能

国際送金サービスとして提供されるワールド・ワイアーは、同分野における市場シェア拡大を伸ばしている「リップル社製品とどのように異なるか」というインタビュアーの質問に対して、ルンド氏は以下のように述べた。

「デジタル資産を使用して、即時決済を実現するというビジョンはリップル社の功績だ。しかし、リップル社の実装は一つの道を辿り、私たちは他をいく….決済手段を提供するエコシステムには幾つかの資産があるべきだと考えている。ネットワーク参加者は、リアルタイムでデジタル資産を選択できなければならない。リップル社の製品はXRPを使っているが、私たちのはXLM、XRP、またビットコインなど選ぶことができる。」

すなわち、ワールド・ワイアーはXLMをブリッジ通貨(価値の移送手段)として採用しているが、同サービスにおけるブリッジ通貨はXRPやビットコインを始めとする他のコインでも可能なため、より選択肢が多いということだ。

パブリックブロックチェーンは「公共プール」?

専門家から批判されることが多いパブリックブロックチェーンだが、ルンド氏は誰もがネットワークに参加できるというが概念が「社会的な運動」となり新技術を促進していると、肯定的な姿勢を見せている。

同氏によると、そもそもプライベートブロックチェーンと分類される「ハイパーレッジャー・ファブリック」の開発を手掛けるIBMが、一般的にパブリックブロックチェーンと言われるステラを採用したのには理由があるそうだ。

まず、これら2種類のブロックチェーンの違いについて以下のように説明した。

「プライベートブロックチェーンは、ネットワークの参加者がお互いを知り合っている…情報をコントロールされた環境で共有する。パブリックブロックチェーンは、似たような概念で構築されているものの、(お互いに知り合っているとは限らない)誰もがネットワークに参加できる…プライベートブロックチェーンは、(会員制の)カントリークラブのようなもの。それに入るには、誰かを知っていなければならない。パブリックブロックチェーンは、公共プール。新たな人にそこで出会う。」

これを踏まえた上で、ステラブロックチェーン技術を採用した理由として、それが概念的にはパブリックブロックチェーンとプライベートブロックチェーンの間に位置し、多くの人が自由にネットワークへ参加できるものの、「一部の台帳管理者は限られ、信頼が担保されている」と説明した。

また、透明性のある(=取引が公開されている)ステラブロックチェーンは「特定のユースケース」で活躍するとし、ハイパーレッジャー・ファブリックと「互いに補い合っている」と付け加えた。

競争率が高い国際送金分野におけるIBMのこれからのビジネス戦略に注目が集まる。

原典:IBM is using XLM! World Wire interview with Jesse Lund

ここまでの内容と考察

IBMブロックチェーン担当のルンド氏が、ワールド・ワイアーについて言及したという、今回のニュース。

パブリックブロックチェーンを批判するだけではなく、「特定」ユースケースにおけるそれの使い道に将来性を見つけるIBMのこれからの活躍にも期待ですね。

また、国際送金分野におけるリップル社製品との市場シェア争いにも注目ですね。

ちなみにですが、同氏はインタビュー中に以下のような発言をしていました。

「世界の30億人は、一日3ドルというような貧困レベルで生きている…また、世界の20億人の大人は銀行口座を持っていいない…しかし、何億人という人がスマートフォンを持っており、デジタル資産を持ったり、保管したり、送金することができる…情報の交換だけでなく、金融サービスにおいて世界が小さくなることで、新興市場が成長するスピードを加速化できると思う。これは、より多くの人々の生活水準を向上できると思う…私たちはこのようなことに焦点を当てるべき…バンキングでも、テクノロジーでも、食物を育てることでも、どうやったら経済的繁栄を多くの人にもたらせるか、ということを考えるべきかもしれない。」

経済が不安定な地域において、仮想通貨のようなデジタルな価値の保存手段は「あったらいい!」ではなく、なくてはならないのかもしれませんね。

今後も業界最前線で活躍する人物の発言や仮想通貨の普及に注目していきましょう!

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